日々の教育・保育には『ねらい』があります。ただ「遊ぶ」のではなく、遊びや生活を通して子どもたちに何を経験してほしいのか考え、環境を整えることで、発達や学習につなげていきます。そのため担任は年間指導計画に基づき、月案、週案、日案と保育計画をたてます。さらに毎月成長を記録し、子どもの気持ちに寄り添い見守って保育していきます。
では『寄り添う』とは具体的にどのようなことを指すのでしょうか。『寄り添う』とは『同情する』ことではなく『共感する』ことだと思います。まだ言葉で気持ちを正確に伝えられない子どもたちに対して、先生たちは、表情・仕草から子どもたちの気持ちを想像し「悲しかったね。」「嬉しかったね。」など、子どもの気持ちを代弁し伝えます。また、手をタッチするなどのスキンシップを通して共感を表現することも大事にしています。そして『見守る』とは、必要なときには助けられる距離を保ちながら、子どもが成長する過程を邪魔せずに見守ることです。子どもが自分からやってみようと思う気持ちを大切にし、声かけのタイミングや声のかけ方も工夫しています。
先週、いちご組、ばなな組、ことり組の子どもたちがお茶室を体験しました。そしてひよこ組の子どもたちもお茶のお稽古が始まりました。0歳、1歳児のねらいは『お茶室やお茶の挨拶を知る』『座り方(正座)を知る』です。先生の真似をして正座をしたり、畳を触ったりしながら特別な違う雰囲気を思い思いに楽しんでいました。2歳・満3歳児のねらいは『お茶室やお茶の挨拶を知る』『上履きを靴箱へいれる』『正座をしてみる』『お茶の道具を知る』です。少し緊張している様子もみられましたが、掛け軸のぶどうの絵に興味を持ち、集中して過ごしていました。3歳児になるとさらに『お茶をいただく』経験が加わります。年少組は煎茶をいただきました。茶器でいただく初めての経験に、飲み終わった後はほこらしげな表情を見せていました。
今年も残すところ2か月となりました。年長会議では今年の作品展の共同作品のテーマが決まり、準備が始まりました。作品展のねらいに『上手に作る』はありません。『子どもたちが安心して快適に過ごせる環境で、成長や発達を促すこと』が教育・保育の基本です。子どもたちが健やかに楽しく過ごせるように、気持ちに寄り添った保育を続けていきたいと思います。