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「抱いて」の時期を大切に

「ぐりとぐら」という絵本をご存知ですか?「ぐりとぐら」は、1963年12月(約50年前)に、「こどものとも」という月刊誌として発行されました。子どもたちにとても人気があったので、このシリーズは10作までになりました。シリーズを全部たすと日本で一番読まれている絵本のようです。
作者の中川李枝子さんは保育士をしながら童話を書き始め、結婚、出産し、なお保育士としても17年間務め、その後童話作家としてたくさんの本を書かれました。中川さんは、となりのトトロの主題歌の「さんぽ」の作詞もしています。「ぐりとぐら」の絵は、妹の山脇百合子さんで、学生のとき上野動物園の野ネズミをスケッチして絵にしたそうです。私は作家さんから絵本ができるまでの話を聞くのが好きで、そのあとはいつもその絵本のファンになってしまいます。「ぐりとぐら」も大好きな絵本の一つです。
その中川さんが5月の初め、朝日新聞で「ちょっと疲れたママへ」というコメントを書いていました。その中から心に残ったことをお伝えします。

☆ 自分の子はどんなにまわりからうらやましがられていることがあっても、親は心配なもの。子どもをよく見ていれば、他の子と比べたり焦ったりしなくて大丈夫。
☆ 「こどもはお母さんが大好き」どんなに保育士が子どもの気を引こうとしても母親を超えてナンバー1にはなれなかった。
☆ 子どもと24時間一緒にいなくてもいいのよ。こどもの喜びに敏感で、子どもがうれしいことを一緒に喜べる、共有できるっていいお母さんです。
☆ 子育てには『抱いて、おろして、ほっといて』の段階がある。「おろして」といわれたらおろさざるをえないし、「ほっといて」といわれたら口出しを我慢しなくてはならない。だから「抱いて」の時期に大事なことを伝えておいて。

6月は草木が伸び、小動物がたくさんいる時です。子どもたちは“ぐりとぐら“のように自然の中を走るのが大好きです。幼稚園では蚕(カイコ)の飼育が始まります。また、持ってきていただいたカタツムリ、ダンゴムシ、アリなどを飼っています。子どもたちは小動物になりきって、話しかけていたり、草をかきわけて虫を探したりしています。興味関心がめばえるとき、そんな子どもたちを見守っていきたいと思います。