蚕の観察を通して

各クラスの前に立てた笹に窓からの風が吹くとサラサラと涼しげな音が聞こえてきます。七夕には早めですが、毎年クラス懇談会に見ていただきたくて、それに間に合うように短冊を飾っています。子どもたちの短冊を見ると夢のあるものや、優しい気持ちを書いているものなど、微笑ましくほのぼのとした気持ちになります。

プールも雨の間をぬって始まりました。今年はボランティアの監視員を募ったところ、毎日4・5名の方が来てくださいます。プールの中では子どもたちの歓声が弾けていますが、水の事故は命に関わりますので、多くの目で見ることで安心してプール活動ができます。暑い中、大変ありがたく思っています。

昨日は年長組が永田台小学校の一年生との第1回目の交流会をいたしました。また、南中学校の二年生5名が職業体験で一日子どもたちと過ごしました。このように幼小中の連携の中で、安心していろいろな年齢の人とのふれあいも大切にしています。

さて、飼っていた蚕が繭になりました。蚕は約1ヶ月で卵から繭作りまで成長します。

蚕は、子どもたちへ生き物への関心を高め、成長の驚きや感動を与えてくれる素晴らしい「人工の昆虫」です。今年も各クラスで20頭(トウと数える)程飼い、フンの大きさの変化に気づいたり、繭を作っているところを見たりして、飼育が終わりました。蚕は桑の葉しか食べませんので、幼稚園の裏庭に植えてある木だけでは足りなくなります。皆さんに協力していただきながら、餌を切らさずあげることができました。この1ヶ月で子どもたちが「どうして?」と思うことがたくさんありました。「どうして桑の葉しか食べないの?」「どうして他の葉と区別がつくのかな」繭を見て「卵になっちゃったの?」抜け殻を見て「これなーに?」年齢によって気づくことも関心も違いますが、まずは生き物は食べないと死んでしまうことやフンをすることを知ってほしいと思います。そして繭の糸は着物を織る絹糸であり、七夕の織姫様の仕事のはた織りに結び付けて、蚕は人間のために大切な昆虫であることも、糸取りを見せながら話していきたいと思います。飼育は相手の気持ちになってフンの掃除や餌やりをしなければできません。興味関心から知的好奇心へまた、優しい気持ちを育てるなど、蚕の飼育を通して学ぶものがたくさんあると思います。