月別アーカイブ: 2025年11月

認知能力と非認知能力

11月は、「知育あそび指導」の保護者参観を初めて年長組で行います。本園では、年齢に応じて少しずつステップを重ねながら、子どもたちの“考える力”と“伝える力”を育てています。
 0・1・2歳児では、カードなどを使って「見る」「聞く」「指さす」といった関わりを通し、ことばや概念の芽を育てています。年少ではカードに加えてワークを使い、線を引いたり丸をつけたりする中で、集中力や達成感を味わいます。年中・年長になると、専門講師の先生から数や図形、量などの“概念”を学び、思考の幅がぐんと広がっていきます。
 子どもたちは日々の生活やあそびの中でも、自然と数や言葉に触れています。たとえば、かくれんぼで10まで数えたり、朝の出欠確認やお手紙・画用紙を配るときに「何枚?」「何人分?」と数を数えたり。組体操では2人組・4人組・8人組への隊形移動、ピアニカ指導でも「1の指」「5の指」と数字で理解する姿が見られるようになりました。数字への親しみが生活や音楽活動にも広がり、子どもたちの理解や意欲をいっそう高めています。
 また、「知ること」は文字への関心にもつながります。自分の名前が書けるようになると、「これは自分のもの」「大切にしよう」という気持ちが自然に育ちます。先生たちは子どもたちに毎日1回は絵本や紙芝居を読んでおり、年長組では好きな絵本を自分で選び、借りて読む時間があります。文字を知る喜びが、読書の楽しさへと広がっています。
 朝の会で行う「自己主張」も、子どもたちの成長を感じる大切な時間です。お当番さんが自分の名前や好きなこと・好きな物をみんなの前で発表します。年長になると「なぜ好きなのか」という理由まで伝えられるよう促し、人前で話す経験を重ねる中で、自分の考えを整理し、相手に伝える力が少しずつ育っていきます。さらに、友だちの発表を聴くことで共感したり、自分の考えを言葉にして伝えることの喜びも感じられるようになります。
 考える力・理解する力・記憶する力などを育てる“認知能力”と挑戦する意欲や友だちと関わる力・自分の意見を伝える力を育てる“非認知能力”は、どちらも欠かすことのできない大切な力です。園では、遊びや生活、音楽や知育、お茶のおけいこや行事など、カリキュラムや日々の活動を通して、この二つの力が自然に重なり合うよう、取り組んでいます。