月別アーカイブ: 2017年6月

生命の教育

 朝、門で子どもたちを迎えていると、いろいろなものを見せてくれます。小さな観察ケースにカタツムリを入れてくる子、途中で見つけたダンゴ虫を見せてくれる子、道端に咲いていたタンポポを握りしめて歩いてる子、変わった石ころを見せてくれる子。「おはよう」の出会いは楽しいものです。そして嬉しそうに担任に持っていきます。
 6月は小動物がたくさんいるときです。60年前の山王台は、山と畑、下の方には田んぼと小川があり、いつでもメダカやドジョウ、ザリガニをみることができました。今では遠くに行って捕ってこないとなかなか見ることができません。それでも子どもたちは、身近な地面や草むらで虫を探しています。その姿は昔も今も変わりません。
 幼稚園では、「生命の教育」として、ウサギとニワトリを飼っています。ウサギのオレオくんとミントくんも元気に育っています。生まれて5か月たったので、もう子どもたちがパンやキャベツを持ってきてあげても安心です。ウサギはお母さんと同じ形で生まれますが、トリは卵で生まれ、3週間で孵化(ふか)します。子どもたちには、「動物の赤ちゃんは同じ形で生まれるのと卵で生まれるのがある」ことを知ってほしいのです。「人間はどっち?」「ライオンは?犬は?」「卵で生まれるのは鳥の他にどんな動物がある?」「ヘビ、カエル、魚…」ウサギとトリから生き物への興味・関心を広げてほしいと思っています。そして、次第に生きているものは死ぬことも知っていくでしょう。
 今、園の人気は4羽のヒヨコです。5月1日に温めはじめ、5月21日に孵化しました。乳児部の豊樹先生が孵化器で卵を孵化させて誕生したヒヨコです。離乳食の時期を終え、少しずつ普通食になっています。このヒヨコさんたちが、先生以上に先生の役割を果たしてくれ、泣いてきた子がかわいいヒヨコを見ているうちに泣き止み、お母さんと別れられる光景が何度もありました。集会で、「ヒヨコは足の裏を強くするために、砂の上を歩いてますが、砂をかけたりしないでね。目に砂が入ったら痛いでしょ。年少・年中が種をまいたアサガオとヒマワリが10cm位になったので、小人の周りに植えかえてあります。抜いたら枯れてしまいます。ヒヨコもヒマワリも生きています。優しく見守ってください。」と話しました。その後、子どもたちは本当に優しく声をかけてくれ、皆、無事育っています。
 6月にはじゃがいも掘りがあります。土の中からでてくるじゃがいもに歓声をあげる子どもたちの姿が楽しみです。そして約1か月間の蚕の飼育が始まります。小動物も虫も野菜も花も木も草も、みんな子どもたちにとって大切な環境なのです。