申(さる)年に想う

 あけましておめでとうございます。
 今年のお正月は暖かで、体育館横の日本水仙の花はほとんどが咲き、菜の花も混じって、黄色の花びらを見せています。
 子どもたちは、この冬休みにもさまざまな経験をして、幼稚園に戻ってくることでしょう。中でも、掃除や片づけなどの家でできるお手伝いは、家族の一員としての存在感を意識させるうえでも大切です。これはお正月に限ったことではありませんが、各自の分担を決めて「○○ちゃんの拭いたガラスはピカピカだね」などと具体的に褒めてあげ、家族のために役に立っていることに自信を持つようにしてあげてほしいのです。
 また、親子や兄弟でカルタやトランプなどの遊びをする中で、負けた時の悔しさを感じることも大切です。しかし、負けてばかりでは面白くありません。そこで、その子の発達に応じたルールを作り、遊びの仕方を工夫することが必要です。例えば最初はカルタの数を少なめにして絵を見てとれるようにしたり、大人はいくつか数えたらとるという具合に差を付けたりしながら、悔しさ嬉しさの感情を育てていくことが望まれます。
 さて、今年は申(さる)年です。絵本の中のさるで有名なのは「ももたろう」「さるかに合戦」など日本昔話にでてくるさるですが、顔が赤く尻尾が短い日本猿が描かれています。「孫悟空」は中国の話ですから、キンシコウという中国の高山に生息する黄色い毛をした高貴な顔をしているさるがモデルになったと言われています。子どもたちの大好きなひとまねこざるのジョージは、アフリカに住んでいた知りたがり屋のチンパンジーです。猿といっても生息地によって特徴が違うので、絵本を見てもわかります。
 猿といえば有名なのが日光東照宮の左甚五郎作の三猿、「見ざる、聞かざる、言わざる」です。いろいろな説があるようですが、子どもを育てる上では「よく見て、よく聞いて、自分の言葉で話せる」ことができる子にしていきたいと思います。幼稚園では、先生が興味関心を持てるような環境をつくり、子どもがやる気になるような声をかけ、子どもの話をよく聞くことが大事だと思います。子ども一人ひとりの育ちを大切に職員一同頑張っていきます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。