飼育動物を通して育てたいもの

 空には手作りの鯉のぼりが元気よく泳いでいます。
 砂場の上の藤棚には、藤の花が見事に咲き、プランターのチューリップやパンジー、ブランコの後ろの八重桜も満開で、一年で一番園庭が綺麗なときです。また今年は裏庭の夏みかんが豊作で、一人3個ずつ持ち帰りました。すっぱい自然な味ですが食べてみてください。

 さて、園ではウサギとニワトリを飼っています。ウサギは4羽、トリは11羽でチャボ・ウコッケイなどです。動物の世話は、先生と子どもでしています。主にトリ小屋やウサギのケージの掃除は先生で、餌は年長の子が交代で当番をしています。小さいナイフでキャベツやパンを細かく切って、配合飼料を混ぜてトリにやります。ウサギは前足でおさえて食べるので大きいままやります。天気のよい日、ウサギを入れたケージを小屋の前に出しておくと、家から持ってきた餌を先生と一緒にやっている子もいます。

 子どもたちは飼育を通して、トリは卵を産み、ウサギは卵を産まないことに気づきます。動物たちの産まれ方の違いや足の数などに気づき、なぜ?どうして?という科学の芽を育みます。ウサギは増え過ぎても困るので、ケージに入れ接触しないようにしていますから赤ちゃんは見られませんが、人間のようにお母さんと同じ姿で生まれてくることを話しています。トリはこども園の玄関で孵化器(ふかき)で卵をかえしています。今1羽が孵化して、可愛い姿を見せました。食べたり、フンをしたり、動いている様子を見たり、抱いて温かさを感じたりして、生きていることを実感します。同時に、生きているものは死ぬということも分かってきます。

 今年も卵を年長児から順に渡しはじめました。ニワトリをより身近に感じてくれることでしょう。動物を可愛がり、大切にすることで、優しい気持ちを育て、命の大切さを感じる子になってほしいと思います。