月別アーカイブ: 2016年5月

「こどもの日」の前に

 砂場の上のふじが満開で美しく、ブランコの後ろの八重桜も綺麗に咲いています。
鯉のぼりが空高く泳ぐ下で、元気に走り回る年長、年中さん、前の子の肩に手を置いて、汽車ポッポで移動する年少さん、それぞれの姿が微笑ましいです。
 さて、4月20日、本園の体育館を会場にして、南区の幼稚園の先生約90名が一同に集まり、新任教諭歓迎会と教職員研修会が行われました。南区長代理、横浜市幼稚園協会副会長より激励のご挨拶があり、その後、絵本作家の長野ヒデ子先生の講演がありました。
 長野先生創作の絵本・紙芝居の中から「おかあさんが おかあさんになった日」という絵本の紹介がありました。あなたがうまれた日のこと…という言葉に始まり、入院してから産まれるまでの病院内での様子や出産の様子を優しいぬくもりのある絵で描かれています。最後におっぱいをあげている絵のそばに書いてある言葉です。

あかちゃん こんにちは、おかあさんよ。
あなたのおかげで、わたしは おかあさんに なれたのよ。ありがとう。
あなたの うまれた日。 おかあさんが おかあさんになった日。

 この本は、1993年発行(23年前)され、昨年までに48刷され、ベストセラーになっています。この本がどうして子どもに人気があるのでしょうか。それは長野さんの作家としての姿勢が子どもの目線で作るということ、子どもの目線とは、大人の教養、知識をとっぱらって子どもと対等に向き合うこと、子どもの人格を尊重するということと話されました。私たちも子どもの目線でという言葉はよく言いますが、子どもの今の年齢の経験や知識をよく理解して、子どもと接することが大切だと改めて感じました。
 この本を読んだ後、たぶんどの子も自分のときはどうだったのか聞きたくなるでしょう。出産は、その子ごとに違います。こどもの日には、一人ひとりの出産の物語をぜひ子どもに話してあげましょう。そして母になった嬉しさを伝えましょう。
 子どもは自分の存在が親や周りの人に喜ばれていることを知ることにより、自信をもって生きていきます。やがて思いやりの心を育んで行きます。「こどもの日」は親子の絆を深める日になると良いですね。
※「おとうさんがおとうさんになった日」「おばあちゃんがおばあちゃんになった日」もおすすめします。作者の子どもに対する愛情があふれています。